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イチョウが黄色く色づいて、道に黄色の絨毯を敷き詰めたようになっています。
イチョウは、雌雄異株ですから、この時期雌木の下には例の匂いが立ち込めています。
好きな人は、この匂いもなんのその、せっせと集めているのではないでしょうか?
口にすることができるようにするまでに手間暇がかかりますが、とても美味しいものですね。
しかし、昔から食べ過ぎると鼻血が出るから大概にしておけと言われたことはありませんか?
美味しくて、ついつい数を食べてしまうのですが、銀杏中毒なるものを発症することもある結構危険な食材のようです。
先日拾ってきた銀杏を乾かしている間に少し勉強してみました。
イチョウとは
イチョウ(銀杏、公孫樹、鴨脚樹、学名:Ginkgo biloba)は、裸子植物門イチョウ綱イチョウ目イチョウ科イチョウ属に属する、中国原産の裸子植物。
裸子植物って何?
植物は花を咲かせるか咲かせないかの分類があって、花を咲かせるものを種子植物というそうです。(花を咲かせない植物;シダ植物、コケ植物、藻類など)
裸子植物は種子(胚珠)を作るようになった最初の植物で、被子植物への進化の過程にあったと考えられていると言われています。
花の定義にもいろいろあるようですが、一般的に見ることができる花だけを花というわけではなく、現在は種子(胚珠)のある生殖器官を持つものと定義されることが合理的という見解になっているそうです。
よって、イチョウのように一見して花がないように見えても、胚珠があるので花を咲かせる植物の分類となるそうです。
また、花を咲かせる仲間でも、種子(胚珠)が子房で包まれているか否かで分かれていて
- 種子(胚珠)が子房で包まれる;被子植物、陸上植物のおよそ9割が被子植物で、子房は果実となるので、被子植物は果実を作る植物ともいえるそうです。
- 種子(胚珠)が露出している;裸子植物
とに分かれるということです。
ということで、イチョウは裸子植物に含まれているのです。
裸子植物にはその他にスギやマツなどの針葉樹が含まれます。
イチョウは全国で普通に見かける樹木ですが、分類上は奇異な位置にあり、例えば広葉樹・針葉樹の区分では如何にも広葉樹に該当しそうに見えますが、むしろ特殊な針葉樹に当たるそうです。
現在イチョウは、生きている化石としてレッドリストの絶滅危惧IB類に指定されているとのことです。
種子は銀杏(ぎんなん、ぎんきょう)と呼ばれ食用としていますが、これは中毒を起こし得るもので死亡例も報告されており、摂取にあたっては一定の配慮を要するとのことです。
絶滅のおそれのある種のカテゴリー(ランク)
環境省ホームページレッドリストのカテゴリーより
絶滅 (EX) | 我が国ではすでに絶滅したと考えられる種 |
---|---|
野生絶滅 (EW) | 飼育・栽培下あるいは自然分布域の明らかに外側で野生化した状態でのみ 存続している種 |
絶滅危惧I類 (CR+EN) ※ | 絶滅の危機に瀕している種 |
絶滅危惧IA類(CR)※ | ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの |
絶滅危惧IB類(EN)※ | IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの |
絶滅危惧II類 (VU) | 絶滅の危険が増大している種 |
準絶滅危惧 (NT) | 現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種 |
情報不足(DD) | 評価するだけの情報が不足している種 |
絶滅のおそれのある 地域個体群 (LP) | 地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いもの |
イチョウの名の由来
イチョウの葉が鴨の水掻き似ていることから、中国で鴨足と言われ、イチャオ、ヤチャオなどと発音されていたものが、日本に入りイーチャウと呼ばれ、後にイチョウになったと言われているようです。
実の名の由来
銀杏の由来は、実の形が杏子(あんず)に似ていることと、殻の色が銀白であることから、銀杏(ぎんあん)が訛って銀杏(ぎんなん)となったとか。
何かよくわかりませんでしたが、りんごならりんごの木なので、銀杏(ぎんなん)なら銀杏(ぎんなん)の木になりそうなものですが・・・
実の名の由来である、銀杏(ぎんなん)という呼び方が先にあって、後に鴨足のイチョウが入ってきて、銀杏をイチョウと読むようになったとか・・・
中国伝来が2回あったということなのでしょうかね?
本当、よくわかりませんでした。🤔
銀杏の栄養・効能
栄養については100gあたりでは、ビタミンC、カリウム、マグネシウム、リン、鉄が多いような成分構成となっているようです。
1粒3gほどのようなので、100gでは30粒ほどになります。
食べ過ぎが御法度ということから、この食材では栄養価を気にするのではなく、旬の食材を楽しむ程度にとどめるのが良いのではないでしょうか。
また、昔から鎮咳に効くということで民間療法で使われていたこともあるようです。
イチョウの葉
さらに、イチョウの葉っぱの効能についても注目されているようです。
イチョウの葉にはアレルゲン物質であるギンコール酸なるものを含んでおり、葉や乳液、実に触れたりすることでかぶれる人が少なからずいるということです。
また、有効性については、いくつかの臨床試験において、イチョウ葉に下記のような有効性が報告されているとのことです。
- 認知症の改善
- 記憶改善
- 脳機能障害の改善
- 末梢循環障害の改善
しかしアメリカ国立補完統合衛生センターによる高齢者3000人を対象とした研究では、イチョウには認知症もしくは認知機能低下の予防や緩和には役に立たないとされているとか・・・
まだまだ研究段階にあるようですね。
ですが、ドイツでは、ギンコール酸5 ppm以下の規格を満たすイチョウ葉エキスが医薬品として認定されているそうです。
ただ、日本では認定されておらず、生の葉は摂取しない方が良いとのことです。
雑誌などでイチョウ葉茶の作り方が掲載されることがありますが、これに対して国立健康・栄養研究所は「イチョウ葉を集めてきて、自分でお茶を作るという内容であり、調製したお茶にはかなり多量のギンコール酸が含まれると予想され、そのようなことは勧められません。」としている
国民生活センターのレポートによると、アレルギー物質であるギンコール酸、有効物質であるテルペノイド、フラボノイドの含有量には製法と原料由来の大きな差がみられる。また、「お茶として長時間煮詰めると、ドイツの医薬品規格以上のギンコール酸を摂取してしまう場合がある」とし、異常などが表れた場合は、すぐに利用を中止し医師へ相談するよう呼び掛けている
とのことです。
銀杏食中毒とは
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中毒が多発したのは太平洋戦争のあった昭和20年代前後だそうです。
食糧事情もあったとされていますが、現在でも年に数件の中毒症例があるそうです。
特に子供は中毒を起こしやすいそうで、全症例の70%が10歳未満、大人の場合は体調にもよりますが、かなり多量に摂取しないと発症しないようです。
中毒メカニズム
症状
ビタミンB6欠乏症の症状を呈し、もっとも顕著に現れるのが、中枢神経の異常興奮により引き起こされる痙攣があるということです。
ビタミンB6は人の体内でアミノ酸代謝の補酵素として様々な生化学反応の酵素の働きを助けているそうです。
ビタミンB6はいろいろな食材に含まれているそうで、欠乏となることは少ないとのことですが、食品加工工程中での減少や抗生物質の服用などにより不足することもあるそうです。
ビタミンB6欠乏状態で銀杏を摂取すると銀杏中毒を発症しやすくなるようです。
原因物質
銀杏中に含まれる「4−O−メチルピリドキシン」という物質で、ビタミンB6に極めて似通っている化合物が原因物質と言われているそうです。
この化合物は自然界では稀な存在だそうです。
メカニズム
ピリドキシンというものがビタミンB6の別名だそうですが、原因物質のメチルピリドキシンがビタミンB6の作用を阻害することで、見かけ上ビタミンB6欠乏症状を呈するとのことです。
まとめ
- イチョウは針葉樹の仲間。
- イチョウの実銀杏は美味しいものですが、多量摂取は中毒の恐れがあるので注意が必要です。
- 特に子供は少量でも発症する傾向にあって死亡例もあるようです。
- 銀杏は歳の数以上は食べないなどと言われているようです。
- さらには、5歳以下(7歳以下)には与えないや、大人も10〜20個以内とか、継続して食べないとか言われているようです。
- イチョウ葉の効能が取りざたされていますが、見よう見まねは危険です。
イチョウが針葉樹だなんてついぞ知りませんでした。
植物の分類などもその昔習ったのかもしれませんが、全く覚えてもおらず、調べていてもかえって新鮮な気さえしました。
秋になると雌のイチョウの木の下ではたくさんの銀杏を拾うことができます。
そして美味しいときているので、ついつい手が出てしまいますが、このような危険が潜んでいました。
ちょっとした知識が身を守ってくれそうです。
美味しいからといって欲張っては体を壊しますね😓
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