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先日、無事にさつまいもが収穫できました。
一時は、また猪に掘り起こされるのではないかとビクビクしていたのですが、途中からは作った竹の柵に少しだけ安心感を感じることができました。
狭い場所に25株植えたので、サイズ的には小ぶりのものが多かったです。
さてキュアリングです
キュアリングをするにあたり、熱源をどうするかについて悩みました。

収穫した鳴門金時
何しろ、30度で100時間という条件なので、家庭菜園レベルではかなりハードルが高いと思っていました。
あまり大仰な装置のようなものは作りたくないし、出来ないし、あくまでも簡易にというコンセプトですから・・・
熱源候補としてパッと思い浮かぶのは
電気コンロ
屋外でも屋内でも100時間も連続通電するのも不安だし、温度制御みたいなこともしなくちゃいけないし、火災も心配、電気代も心配です。
灯油ストーブ
ファンヒータなら温度設定もできるし、良さそうだったのですが、やはり火災の心配とファンヒータって、設定していても最小火力で燃焼しちゃうので設定温度よりどんどん上がっていってしまうんですよね。また、灯油もここのところ高いんですよねぇ。
七輪
炭起こして放置するので、炭の補給と裸火なので特に火災の心配と燃焼具合で鎮火してしまうことが長時間の熱源としてどうかというところです。
何れにしても、一番の悩みの種は火災なので、囲を燃えにくいものでやらなければならず、中で燃焼させるとなると、空気の取り入れも必要だし、そうすると温度も下がるし、電気コンロが一番簡単といえば簡単かなというくらいでしょうか?
しかし、どちらも帯に短し襷に長しで、決め手に欠けます。
そんなことを考えていた時に、ハッと、発酵熱のことが浮かんで、この熱が利用できないかと思った次第です。
発酵熱は50〜60度くらい上がるようなことを聞いたことがあったので、これで行けるのではないかと思いつきました。
発酵熱を利用する
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そこで収穫予定日前日に、コンパネの枠の中に雑草を入れて米ぬかを振ってを実施、要は落ち葉堆肥作りですね。
これで次の日、草の中の温度を計ると、45度を指していました。
キュアリング開始
これはいけると思い、もうその日に収穫して、雑草を積んだ上にブルーシートを敷きその上に収穫したさつまいもを並べて、トンネルフレームを立ててビニルを被せ、さらにコンパネ枠にもブルーシートをかけて獣対策も万全にしました。
翌日朝の時点で、トンネル内の温度は26度、30度には4度不足、湿気も不足気味。
2日目朝、トンネル内温度は24〜25度、中はホカホカしている状態だが、これはカビが発生しやすい状況そのもので、ブルーシートの際に白いカビの発生を確認。
3日目朝、今日は気温が下がり、外気温10度ほど、トンネル内温度20度、必要温度は10度も不足しており、しかも、カビには好都合の温湿度らしく、ブルーシート周りが真っ白になってしまっていました。

ちょっと面白い形の芋たち
これでは、長期保存どころか芋がカビにやられてしまいそうなので、急遽キュアリングを断念しました。
それでも一縷の望みをかけて、高温洗浄で除菌もどきをを行って熟成体制としましたが、この過程でカビ菌がどの程度悪さをするかは今後を見守るしかありません。
考察
発酵熱はうまく利用できればいい案だとは思われましたが、カビ発生と必要温度に達しない問題が浮上してしまいました。
白カビについて
白カビについては、多分枯草菌であると思われ、これは増殖力が極めて強く、
- 水分が20%以上ある
- 酸素がある。
- 温度が20度〜50度の範囲にある
- 有機物がある
という条件が整うと、有機物を分解しながら40〜50分で2倍になるという早い速度で増殖するそうですので、芋がこれにとりつかれたらひとたまりもなく分解されてしまいそうです。
必要温度について
今回の熱源は、刈り取った雑草でしたが、雑草を積み上げた深さ(踏み込み後)はおよそ30cmほどであったと思います。
この状態で、1日で雑草内の温度は45度以上になっていました。
まさに枯草菌が増殖する温度です。というか、枯草菌が働いて45度になっているのですね。
よくよく考えれば、この枯草菌という微生物の働きがあって熱が生まれているんですよね。
雑草を積んだ上には土等は被せていませんでした。
ここに、先にも触れた通り、ブルーシートを置き芋を並べトンネルフレームで透明ビニルを被せました。
トンネル内の温度は外気温の変動を受け、外気温+10度程度までしか温度が上がりませんでした。
大体、10月ともなれば、朝の気温は10度くらいになって、日中でも太陽が出ないと15〜16度くらいなので、1日で平均して30度を目指すのであれば、外気温+17度以上は必要であると判明しました。
来年の検討事項(対策案)
- 雑草を露出せず、一番上に土を被せる。(白カビ対策)
収穫した鳴門金時
- 発熱する場所と、熱利用場所を分ける。(白カビ対策)
- 保温を強くする。(温度対策)
- 発熱体である有機物の量を増やす。(温度対策)
- 保温空間を狭くする。(温度対策)
などが考えられます。
もう今年は終わってしまいましたので、また来年固い頭をひねることとします。
キュアリングの必要性についてはこちら
猪よけの柵を作るに至った記事はこちら
まとめ
- キュアリングは熱源選定をよく考える必要がある。
- 熱源に、電気や炭などを選定する場合は火災予防を考慮する必要がある。
- 発酵熱は使い様によって上手くキュアリングができるのではないかと考えます。
- キュアリング温湿度では枯草菌の増殖が予想されます。
キュアリングだと意気込んでいたのですが、熱源の選定でつまづき、思いつきの発酵熱をよく調査しなかったため、失敗してしまいました。
しかし、失敗したから分かったこともあるので、前向きに来年に生かそうと思います。
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