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山里の暮らしは、古家を改修することから始まると言っても過言ではありません。
年数を経た床は、材料のクリープ現象などでたわみが大きくなってくるので、だわつきが気になってきます。
これを解消しなければ、後々気になってしょうがないことになります。
予算をかけることができるのなら、床組みを完全リニューアルした方がいいかもしれません。
しかし、大概低予算でやり繰りしたいと思っている人がほとんどではないでしょうか?
やると決めればせっかく床板を剥ぐので、低予算でも基本は押さえたいものですね。
すぐに手をつけたくなるのが人情というものですが、ちょっと立ち止まって床をどういう風にデザインするのか考えてからスタートするのがいいようですよ。
床のデザイン
床をデザインするにあたって、床に何を求めるのかをしっかり捉えておかなくてはいけません。
現状を把握する
まず、今現在の床組みの状況を確認しなければいけませんが、床板が張ってある状態ではよくわかりませんので、できれば部分的にでも床板をはがして確認できるようにすると良いです。
私が現在住んでいる古家も、壊してみたら土台が腐っていました。
土台腐れの記事はこちら
現状調査で得た情報
これはそれぞれで違いますので一概には言えません。
例えば、私の経験では
- 土台の腐れ
- 柱の腐れ
- 床の片がり
- 床板の腐れ
- 基礎の沈下
などが散見されました。
床に求める性能
床は、普段常に接している場所ですから求められることも多くなります。
- 不快なだわつきがないこと。
- 床からの熱伝導が少ないこと。
- 滑りにくいこと。
- 掃除しやすいこと。
- 汚れにくいこと。
- 最近ではつまずきにくいこととして、バリアフリーを求められることも。
- その他、防腐、防蟻も必要になります。
- できれば床が水平なこと。
多分、古い家ですと床下の断熱材はないと思われます。
床下の根太は、現在の推奨されている根太ピッチより長いことがほとんどです。
1階の床下は湿気が多く腐れているところもあるかもしれません。
床をデザイン
現状を把握した情報と、求める性能からどういう床にするかを決定していきます。
修理の必要箇所
有無を言わせずにやらなくてはいけないことを確認します。
例えば、私の場合なら
- 腐った土台を撤去
- 腐った柱をすげ替えか、根継ぎ
です。
改修の必要箇所
床強度の回復
床断熱の追加
性能を付加する項目
- 床材の選定
- バリアフリーを実施するか否か
- 防腐、防蟻をどこまでやるか
その他
床が片がっていたりした場合、家全体のレベルを見てジャッキアップをすればある程度戻るでしょう。
しかし、既に不等沈下した状態で落ち着いているので、やればやるほど変な状況を作ってしまいます。
却って建具がおかしくなるとか、隙間ができてしまうとか、上げた場所は当然基礎から浮き上がるわけでして、すべてパッキンを挟むようになりますから、キリがなくなるのです。
床の片がりが許容できないのであれば、初めによく確認しておくことをお勧めします。
因みに、私のところも相当片がっておりますが、今はそいうものだという感じです。
床の施工方法を決定
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古家の場合、当然傷んでいることはお分かりだろうと思います。
それをどこまで回復させるのかは、その家をいつまで持たせるのかということにもつながり、一部分だけ予算をかける価値があるのか等を判断することとなります。
ただ、後々やっておけばよかったということがないようにだけはしておきたいものです。
施工箇所の決定
必須工事
土台撤去
- 腐れ柱のすげ替え、根継ぎ
- 大引材の追加
- 束の追加(束受け基礎も含む)
- 根太の追加もしくは取り替え
追加工事
床下断熱材の設置
- 床板の取り替え
床板について
床材で人気があるのが広葉樹ですね。
緻密で木目の表情も豊かなので、映えます。
緻密ということは熱を蓄えやすく、寒くなると床板自体が冷えてしまい冷たく感じやすいです。
一方針葉樹の杉などは、軽く空気を含んでいるため断熱効果が高く、床板にした時に冷たさを感じません。
しかし、柔らかいので傷がつきやすいのが欠点です。
適材適所で選定する必要があります。
例えば、余り物を動かさない場所、居間のように使われる場所の床板には杉がいいかもしれません。
一方、食堂や台所など椅子を引いたり、物を出し入れしたり、水がかかったり油が飛んだりというところには、掃除のしやすさや表面強度などを優先させないとすぐに傷や汚れが目立つようになってしまいます。
材質だけでなく表面仕上げについても考慮する必要がありますね。
下張りについて
下張りを張ってフローリングを張ると、床鳴りも低減できるのでいいのですが、この下張りにコンパネなどの合板を使うと、湿気の具合によっては3年ほどでボロボロになってしまいますので注意が必要です。
乾燥しているところでの使用は問題ありませんが、湿気があるようなら畳の荒床のように、杉の無垢板を張るのがいいと思います。
さらに、現状から下張りを追加すると床の仕上げが納まらなくなる箇所がないかどうかをよくよく確認することが必要です。
バリアフリーについて
現状が床板の上に敷居が載っている場合、敷居の天端まで床のレべルを上げなくてはなりませんので、その辺をどのように納めるのか考えなくてはなりません。
ただ、大変ですがバリアフリーにすると快適です。
まとめ
- 床を改修するなどを計画するにあたっては、床に何を求めるのかを明確にデザインすると無駄がなく納得がいきやすいです。
- 古家の場合、床組みだけでなく家本体の土台や柱がやられている場合もあります。
- 何事も予算に跳ね返りますので、やり方しかり、材質しかりよく検討することが重要です。
- 引続き全体を施工するなら問題ありませんが、床だけしかやらない場合、予算の掛け方を慎重に判断しましょう。
家は大きいものです。手を掛け出すと思っている以上にお金が必要になります。
本当に必要な支出なのかどうか、よく検討してから実施することをお勧めします。
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