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木工を始める時、道具や材料にばかり目が行きがちです。
作業環境を整えるためにも、道具や材料も必要ですし、最低限の道具はないことには始まりません。
しかし、初めから道具に凝ってはいけません。
まず、最低限の道具で、作業をするための台や馬を作りましょう。
作業場所を見つける
専用の木工作業場所が持てるなら何も問題ありませんが、そういう人は限られてしまうでしょう。
屋外で都合をつける
庭に余裕があるのなら、一角を作業場所してしまう手もあります。
天気が悪い時にはできませんが、広さは申し分ないですね。
作業中に蚊に刺されるとか、薄暗くなると作業ができないとか、制約もあります。
後々、電動工具を使う場合、電源取り出し(屋外用のコンセント)がないと不便になります。
オガ屑、カンナ屑など、削り屑は細くて雑草の間に入ってしまい掃除が大変です。
できれば、シートなどを敷いて作業されると掃除がしやすいです。
屋内で都合をつける
母屋で使っていない小部屋があれば片付けて作業場所とする。
今ある仕上げを養生する必要があるかもしれません。
部屋の場合、間仕切りが襖や障子だと桟にオガ屑などが溜まってしまうと掃除が大変です。
出入り口以外は、半透明の養生シートを貼っておいたほうがいいかもしれません。
床は何かと物を落としたりする可能性も高いので、ブルーシートを敷いて、ダンボールなどで緩衝材にした上でコンパネなどを置くといいですね。
納屋や倉庫を整理して、スペースを捻出する。
床がコンクリートなら特に問題ありませんが、刃物などを落とすと欠けるので、細心の注意を払うか、心配なら床にコンパネを置くといいかもしれません。
削り屑などが溜まってしまうのがダメなものがあるのなら部分養生でブルーシートでもかけておきましょう。
作業台を作る
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作業場所の確保ができたら、まず、作業台を作ることが最初の木工です。
的確で安全な作業には作業台が必要です。
作業台はある程度重さも大きさも必要ですが、作業場所との兼ね合いもあります。
小さくても60cm×90cmくらいは欲しいですね。
高さは、私が使っているものが75cmくらいで、カンナをかけるにもまぁまぁです。
のこぎりを台上で使うには、もうちょっと低いほうがいいですが、蹲踞して使うのにはちょうどいいです。
私は、本格的にのこぎりを使うときは、別に馬を使っています。
作業台の作成手順
作業場所に当てられる場所のスペースから、自分が動き回れる寸法を見込んで作業台がどのくらいなら置けるのかを想定します。
あまりにも小さいと軽くなってしまって、作業中に動いてしまうようでは役に立ちません。
やはり最低でも、平面寸法60cm×90cmくらいはないとダメなように思います。
この寸法でもカンナがけのときなど足が浮き上がることがよくあります。
脚を太くて重いものにするとか、足元に部材を多くつけて重くするとか、工夫をすることも必要です。
作業台の設計
作業台といえど、ちゃんと形をイメージしなければできません。
慣れてくれば図面がなくてもできるかもしれませんが、初めはちゃんと寸法を抑えた図面を作りましょう。
図面を作ると、設計の段階で、材料を無駄なく使うようにすることができます。
平面寸法60cm×90cmの作業台ということで記載してみますと、
天板は、平面が出ていることが重要になります。
精度を求める部分には工業製品を使います。
よって、コンパネの2×6(2尺×6尺で、60cm、90cmくらい)パネル1枚を半分に切って重ねて使うように考えます。
1枚は土台というか、脚に直接ビスで留めることにします。
その上に接着で上貼りをします。
こうすると、金物が隠れるので、作業中に刃物が当たって欠けることが防げます。
脚とつなぎ材は角材でビス止めが可能なものにします。
脚の材寸は、2寸5分(75mm)角くらい、高さ75cmで4本なので、全長3mが一本あれば足りると考えます。
(ホームセンターなどで売っているSPF材(2×材)でもいいですが、正角材がないので薄い方向が弱くなります。繋ぎを打っていくので、必要なら増やすことで強度を増すことができます。)
材料の準備
今までのことを前提に準備を進めてみます。
材料リスト
材料名 | 寸法など | 数量 | 備考 |
天板 |
コンパネ若くは構造用合板26パネル(26がなければ36になります) |
1枚 | 大きいので、半分カットを頼むことも手です。 |
脚 |
杉、75mm×75mm×3m |
1本 | 長いので、4本にカットしてもらうのも手です。 |
脚の繋ぎ |
2×4材、38mm×89mm×0.9m(定尺) 天板のすぐ下と脚の下部、2本/面、8本 |
8本 | 長いものをカットしてもらっても良いです。 |
天板下根太 |
2×3材、38mm×63mm×0.9m(定尺) |
2本 | 必要寸法をカットしてもらってもいいです。 |
ビス他 |
コンパネ用ビス;コースレッド36mm 繋ぎ用ビス;コースレッド90mm 接着剤;白ボンド |
各必要量 |
道具リスト
作業 | 道具 |
切断 | のこぎり |
ビス打ち | インパクトドライバーなど |
ビス下穴明け | 〃 |
エッジの処理 | 紙やすりなど |
接着の圧着 | クランプ、木材 |
加工組み立て
各材料を所定の寸法にする
脚の長さ;
天板まで75cmにするので、75ー1.2×2=72.6cmですが、カットしてもらってきて寸法が揃っていれば、およそ75cmで問題ないと思います。
自分でカットする場合は、初めの1本目の長さに全て合わせてください。
繋ぎが取り付く位置を墨付ける;
道具が揃っていない時期に作ることを想定して、脚の外側に繋ぎをビスで打ち付けていくので、その位置を印をつけます。
繋ぎ材の長さ;
天板は、910mm×606mmのはずなので、
長手は910mm、短手は606-38×2=530mmですが、若干引っ込めておいたほうがいいと思いますので、長手905、短手525としましょう。
繋ぎの方にも、脚の位置を印しておきます。
天板下の根太は、後から寸法をとって叩き込んでビス打ちにします。
脚と長手繋ぎの印を合わせて、さしがねで直角を確認してクランプで仮固定しビスを打ちます。
長手を2つ作ったら、短手の繋ぎを合わせて、クランプで仮止めしビス打ちします。
繋ぎが終わったら、天板下根太を3箇所入れます。
木が微妙に反っていたりするので、ちょっと注意が必要です。
最後に天板1枚目を散りを確認してクランプで仮固定しビス打ちします。
2枚目を接着剤を全面に付けて貼り付けて、適宜木材であて木をしてクランプで24時間圧着します。
完成ですが、使ってみてガタツキがあるかもしれません。
ガタツキが出ないようにするのも工夫があります。
突きつけで釘やビス打ちはずれやすく難しいので、木に欠き込みを作ったり、ほぞを作ったりすることで、その場所が特定されますから、組み立て時の位置ズレは解消されます。
ほぞなどではまた別の理由でずれることもあります。
何れにしても一つ一つ経験しないと理解できないと思います。
作業台や馬などは何度か作り直していくと技術力も向上していいものができます。
ほぞ堀の基本はこちら
まとめ
- 木工作業を安全・効率的にするには、場所などの環境を整えることが必要です。
- 場所が確保できたら、作業するための台を作りましょう。
- 作業台は重いほうが良いです。
- 作業台を作るにも設計をしたほうが良いです。
- 材料を無駄なく使うような癖をつけましょう。
- 初めは、ビス止めだけに頼ったとしても、将来的には木を組むことで頑丈なものを作ることを目指しましょう。
今回の作業台作成は全ての作業の基本になります。
寸法を揃えること、仕上がりを意識した寸法にすること、直角を確認することなど、基本中の基本ばかりです。
書いてあるのを読んだだけでは、簡単でつまらないように思えても、実際にはできないことが多いのです。
実際に自分でやってみることが大事です。
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