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その昔にもDIYが流行ったように記憶しています。
自分で考えて、自分で作る、
出来の良し悪しもさることながら、全部自分でやったんだということが、
次はこうしてみようとか、これを作ってみようとか、次々と思いが募って
休む暇もありません。
しかし、初心者でいきなり真直ぐに木を切ることは難しいでしょう。
仕口、継ぎ手を駆使することはもっと難しいです。
全ては経験をしないことには始まりません。
道具も必要ですが、場所も必要です。
初めから大きいものを作ろうとしても、それを組み立てられる場所となると、作品の大きさの6倍以上の広さが必要です。
初めは無理をせず、小部屋をなんとか都合をつけて使うようにするとか工夫をして場所を確保できれば、そこでできる大きさの作品から初めて見ることがいいのではないでしょうか?
小さい作品でも、木を加工するためのすべてが詰まっています。
さらには、小さい作品で仕口にホゾを使い組み上げるのであれば、非常に精緻な加工が求められ、それは指物という専門ジャンルになります。
この記事は、簡単にできるという方向性ではありません。
しかし、基礎の基礎をやっていくことが、最終的には手作りの良さを満喫できるものだと思っています。
道具揃え
道具にもいろいろありますが、まずは寸法を測ったり、直角を確認したりする必要があります。
計測道具

さしがね2種、スコヤ、コンベックス、墨つぼ、墨差し
基本的には、下記のものが必要です。
- さしがね;メートル表示のものと、尺寸表示のものがあります。使いやすい標記の方を使いましょう。因みに、木は尺寸が合うような気がしています。
- スコヤ;精度の高い直角を調べます。
- コンベックス;長い材料の寸法を測ります。
墨付け道具
とりあえずは鉛筆でもできますが、精度の良い墨をつけることが、質の良い作品につながります。
鉛筆の場合は常に極細線が引けるようにしていけなくてはいけません。
下記の道具があるとさらに便利で、効率的に精度の良いものができます。
- 墨つぼ;大工さんが使う墨付け道具。長い直線でも一発で墨が付けられます。
- 墨差し;墨つぼと対で使います。常に刃先を砥石で研いで使います。
- ケヒキ;材料の端部から一定の寸法で筋をつけることができます。
- 白引き;鋭利な小刀で、筋をつけるとより精度が向上します。
- バカ棒;その都度自作する計測道具です。同じ寸法の墨付けの計測間違いがなくなります。
加工する道具
これがなくては肝心要の刻みも、穴あけも、仕上げもできません。
のこぎり
製作するものに合わせたサイズのもの、種類が必要です。
長く使うつもりなら、目立てができるものを求めるのが良いですが、少し値が張るので、替刃式のものでも良いですが、鋼が固すぎるとヤスリも利かないので、超硬みたいなものは止めたほうが良いと思っています。
両刃式鋸1尺;横引きと縦引きの目がついた鋸で、材料の木取り、寸法揃えなどに使います。
両刃式鋸8寸;横引きと縦引きの目がついた鋸で、大きい材料を切るのでなければ8寸で万能に使います。
以下はあれば
胴付き鋸;仕口の胴付き部を綺麗に切るための鋸。綺麗に切るために、ノコの目が細かくノコ身も薄くできているので、補強のために背金と言われる板が当ててあります。
細工鋸;少し細かい細工をするための鋸です。さらに薄く小さくなりますので、使い方も繊細になります。
木釘のこ;アサリのない鋸で、楔や栓などを材面で傷をつけずに切る場合などに使います。
廻し引きのこ;曲線切り用鋸。
のこぎりの使い方についてはこちら
ノミ

ケヒキ、10本組ノミ
木工作なら、やっこノミと言われる追い入れのみが必要です。
組のみ(10本セット)で買えるならその方がいいかもしれませんが、本格的にやるかどうかわからなければ、3分、5分、8分の3本を揃えるのが良いでしょう。
ホームセンターでも売っていますが、できれば大工道具専門店で購入する方が少し高価でも研ぎやすくて使いやすいものが手に入ります。
ノミの使い方についてはこちら
玄能

左から、大、中、小
大玄能;槌の重さ200匁前後(750g)組み立て、大釘打ち
中玄能;槌の重さ100匁前後(375g)ノミ打ち、釘打ち
小玄能;槌の重さ70匁前後(262g)釘打ち、小細工、かんな刃の出し入れ
かんな

寸6と台直し
かんなによる仕上げをする必要がなければ不要といえば不要ですが、少しだけ削りたいとか、面を取りたいとか、サンダーや紙やすりでは途方にくれる作業もかんななら一発です。
平かんな;寸6(かんなの刃の幅1寸6分でおよそ5cmくらい)のかんなが一台あれば、とりあえずは用をなします。
かんなの場合かんなを削るかんなが必要です。
台直しかんな(立ちがんな);かんな台を削って狂いを調整するかんな。
かんなについての記事はこちら
砥石

左から、金盤、砥石台、中砥石、金剛砂、仕上げ砥石8000番、仕上げ砥石12000番
刃物は研がないと使えません。
刃の欠損や刃こぼれがなければ、中砥石と仕上げ砥石が必要です。
さらに
研ぎ桶(プラスチックの小さめのコンテナで代用可);研ぎ水を溜めて使います。
砥石台(自作もできます);砥石を安定しておくために必要です。ゴム付きの便利なものが売っています。
金盤;ノミやかんなの刃の裏出しに使います。
金剛砂;裏出しの時に下ろしやすくするために使います。
道具を使えるようにする
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木工は道具を揃えただけでは使えないことが多いです。
それぞれの道具は仕込んで初めて使えるようになります。
初めから使えるのは、鋸、直ぐ使いかんな(仕込み済み)、玄能、計測道具くらいです。
- ノミは、カツラ下げを行う必要があります。
- かんなは、仕込みを行う必要があります。
- 墨つぼは、綿と糸を仕込んで墨を含ませます。
- 墨差しは、削って研いで筋のような線が描けるようにします。
これで、道具が使えるようになりました。
さぁ何か作ってみましょうか
さて道具は揃った、と言っても、実際には作業台とか馬とかがないと作業がやりにくく安全作業もできません。
作業台の記事はこちら
でも、いつまでも何もできないのは面白くも何もありませんね。
自分で書いておいて何ですけど、記事にしているだけでもまだできないのかと思ってしまいます。😱
とにかく、作るための手順
イメージ
なんでもいいのですが、初めは板を切って、金物と接着剤で固定するくらいのものががいいのではないでしょうか。
それでも、真っ直ぐに切れないとか、切った面が斜めとかだと、釘やビスではくっつかない恐れが🙀
でもやってみないことには何も始まりませんよー
板で箱を作って、
- 椅子代わり
- 踏み台代わり
体重を支えなくてはいけないので、そこらへんは設計で反映させます。
設計
具体的に寸法を決めていきます。ここで、
- どういう風に作るのか?
- 仕口の接合はどうするのか?
- どういう力が加わるか?
- 変形しそうかどうか?
- 補強をするのかどうか?
- どういう材料がどれだけ必要になるのか?
- 必要な材料を書き出す。
- 仕上げは何をするのか?
- できれば図面化すると間違いがないです。
作業場所もイメージしておきましょうか。
準備
必要な材料・場所を準備
- 材料は手持ちなのか、購入なのか?
- 必要な長さに加工されているのか、自分で切るのか?
- 作業場所や材料の置き場所はあるか?
墨付け・加工
同じ長さの部材は、一回測って切ったら、次は測らずに、できた板をテンプレートにする。
- 少し複雑になってきたら、バカ棒を用意して、寸法をつける。
- バカ棒にするのは、なんでも良いが、できるだけ目の通ったものが良い。
- バカ棒に必要な寸法を記録してこれだけで墨付けをすると、毎回測らなくて良いので間違いが減る。
仮組み・修正
部材ができたら、仮に組み合わせてみます。突きつけの継ぎ手だと仮組みと言っても難しいですが、この段階で、よく確認して修正しておかないと、本組でおかしなことになります。
釘打ちヤビス止めの下穴が必要ならこの段階で空けておきます。
本組・仕上げ
最後は本組です。
必要なところに接着剤を塗って、釘なりビスなりで固定します。
突きつけの継ぎ手は組み立て時に工夫が必要で、うまく材料を保持するように補助材を使います。
補助材は木端でもなんでも良いですが、材料を水平に保持するのか、垂直に保持するのかなどによってしっかりと作業ができるように考えましょう。
最終的に設計で考えた仕上げを施して完成です。
まとめ
- 木工は道具を使えるようにするだけでもかなりの時間を要します。
- しかし、道具の仕込みは一度やってしまえば頻繁には必要ありません。
- 作業場所や作業台などが必要になります。
- これらも一度作るなどすればずっと使えるはずです。
- 使える道具が増えてくると、おのずと作品の幅も広がり精度も増します。
- 道具で仕事をすると言われる所以です。
木工は何しろとっつきにくいですね。
やり始めてしまえば面白いものなのですが、そこに行き着くまでに嫌になってしまう人も多いかもしれません。
ですが、自分で考えて、作ってということを繰り返していると、だんだん作った作品?のようなものが増えて、ここをこうすればよかったとか、今度はこうしようとか、思いを馳せてしまします。
木は軽くて扱いやすく、木目の表情とか、香りもあり、柔らかくても強度もあって、人に優しい材料です。
この材料を自由自在に使えるようになりたいと思っています。
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