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手工具は使いこなせるようになるまで、どうしてもうまく加工ができませんね。
かと言ってどうしようもない作品ばかりが積み重なってきても困りますし、これだけやったんだと言う感慨ばかりでも困りますね。
ノミは基本的に穴を掘る道具なので、穴の中が見えずらいのでよく分からなかったりして、垂直のつもりで調子よく叩いていったら、出来上がったら地獄ほぞなんて、目も当てられません。
見えないからこそ慎重にしなければならず、貫通ほぞなら両側からできるので、まだやりやすいですが、袋ほぞだと一方向からしかできないのでよほど注意しないといけません。
角ノミ盤などを使ってしまうのなら気にすることなく簡単ですが、手工具のノミの場合、訓練といいますか慣れが必要なので、それまでは定規などを使って慎重に確認しながら作業することをオススメします。
墨付けが重要です
ほぞ穴を掘る場所を決める
ほぞ組みは、ほぞとほぞ穴でできていますので、必ず相手がいます。
ほぞ堀は失敗しやすいので、ほぞ穴の方から加工するのが良いと思います。
万が一ほぞ穴が広がってしまった場合、ほぞで調整ができるようにほぞの脊を材料一杯にせず少しだけでも胴付きをつけておくと安心です。
例えば、材料の脊が2寸だったとしたら、ほぞの脊を1寸8分くらいに設定しておけば上下1分逃げができることになるので、オシャカになることを防げます。
そんなことをする必要はないと思えば、材料の脊をほぞの脊としても良いかと思います。
しかし、2寸だと思い込んでいた材料が、1寸9分5厘だったなんていうことはザラにありますので、ご注意ください。たかが5厘、されど5厘、木工ではゆるゆるになりますよ。
ほぞは脊を効かせるように加工することが必要なので、ほぞ穴の端空きが極端に少なくならないように注意することも必要です。
少なすぎると組み立てた時に欠けて飛んでしまうことがあります。
材料に墨付けをする
そのようなことに注意しながら、仕口の位置や寸法を決めたら墨付けをしましょう。
墨は必ず4周に廻して閉じることを確認します。
貫通ほぞなら両側から掘るので、当然墨を廻すと思いますが、袋ほぞだと反対側は掘らないので、墨をつけなくともいいわけなのですが、側に墨があると目安になるのと、その墨がちゃんと閉じていないと間違った墨ということになってしまうので、いつも4周廻して確認することをオススメします。
今回は定規で確認するので不要といえば不要ですが、定規を使わなくなれば目安となります。
ノミで加工する
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定規を用意する
貫通ほぞなら、さしがねをほぞ穴に通してガタツキを見ればいいですね。
袋ほぞの場合、ほぞの深さによっては市販の小さいさしがね類では対応できないことが多いので、端材などで定規を作ってしまいます。
ほぞの深さに合わせてL字型に切ればいいだけなので手間はかかりません。ほぞの幅方向も見たいのなら、ほぞ幅で作れば両方に使えます。
作った後、さしがねを当てて直角になっていることを確認しておいてくださいね。
ノミを使う
墨線の近くにノミを立てて一発づつ打ってノミ跡をつける。長い墨には幅のあるノミで打ちましょう。
ノミ跡から余裕をとって掘り進めます。
ノミを打ち込みすぎるとノミがそっくり返って入っていくので大概中が広がります。
せいぜい1分か2分くらい打ち込んで斜めからさらうことを繰り返して所定の深さまで掘り進めます。
このとき掘っている壁が鋭角にならないように注意します。できれば僅かに鈍角ぐらいがいいです。(墨線のノミ跡より小さい状態)
この時のノミは叩きノミを使います。
この際に定規を使って墨線から直角に掘れているか確認しながら仕上げていきます。
墨線まで残りわずかな分は、玄能は使わず、突きノミもしくは叩きノミを突きノミのように使ってさらいます。
ほぞの脊を効かせるようにするため、上下方向は取り過ぎないように。
幅はきつすぎると割ってしまうので、気持ち緩めに取ります。
最後にほぞを作って嵌め込み調整をすれば完成です。
まとめ
- 墨付けが重要です。
- ほぞの仕組みを理解して位置を決めましょう。
- ほぞ穴掘りは勘だけに頼って掘ると失敗します。
- 掘り過ぎは元に戻らないので慎重に行いましょう。
- まず小さめに所定の深さまで掘って、定規を使って底が広がっていないことを確認します。
- 所定の幅、脊にするときは突きノミもしくは叩きノミを突きノミのようにして使います。
簡単なポイントとは定規を使うということでした。いかがでしたでしょうか?
ほぞ組みができるようになると、頑丈な構造ができるので木工の世界が広がります。
凝り始めると面白くなって難しいほぞ組みに挑戦してみたくなりますが、意味のあるほぞ組みでないと何のためにやっているのか分からなくなります。
木工の世界はほぞ組みだけではありません。
これからますます面白くなりますよ。
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