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きのこと聞いて、つまらないものだと思いましたか?
きのこがいないと生態系が成り立たないという事実をご存知でしたか?
地球大気の変遷
地球誕生後に植物が現れるのは今からおよそ5億年前と言われています。
よって、およそ5億年前頃より植物の光合成が活発に行われるようになり、繁栄してくるのとほぼ同時に菌類としてのきのこも登場したと言われています。
この頃には地球大気はほぼ現在と同程度の酸素濃度(20%ほど)となり、それまでの大気の大部分であった二酸化炭素は、藻類生物の光合成や海水への溶け込みによりサンゴなどの海中生物が固定して、二酸化炭素濃度も現在と同程度の(0.03%)となったとされています。
この頃で、地球誕生から40億年も経過しています。
自然環境の循環
植物が繁栄すると、無機物から有機物を生成する光合成が活発になり、それに伴ってさらに二酸化炭素が使われるため、枯渇すると植物も繁栄できなくなるわけです。
ここで、きのこなどの菌類が有機物を還元する働きで無機物に戻して、有限の資源を無限に利用する自然の循環が出来上がっているのです。
この還元する働きは、我々人間を含む動物も一働きしており、有機物を消費して消化吸収排泄する事で還元しているということです。
まとめると、植物という生産者が生産した有機物を、生物という消費者ときのこという分解者が還元して無機物に戻しているということなのです。
きのこの不思議
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きのこが分解者ということがわかったわけですが、分解だけをしているわけでないところがまた不思議なところです。
きのこは子実体という菌糸で出来た本体で出来ており、一般的には傘の裏にあるヒダから胞子と呼ばれる、植物で言う種子を遠くに飛ばします。
着床したところで菌糸を広げ、それぞれのお目当の餌を腐朽、分解しながら子実体を作っていきます。
腐朽、分解ばかりではなく、共生する菌もあり、山で目に付くきのこの大半はこの共生する菌根菌だということです。
菌根菌
松などの木の根に菌糸をまといつかせて菌根を作り、宿主から養分をもらったり、土中の養分を与えたり、病原菌から守っていたりと互いに助け合うという不思議な働きをしているきのこです。
マツタケは赤松に着く菌根菌ですが、赤松には他にも最低30種類の菌根菌が確認されているそうです。
また、赤松林が手入れされなくなり、雑木類が茂るようになると赤松の菌根菌が姿を消して、雑木の菌根菌や落ち葉分解菌が増えると、赤松の吸水力が低下して病気になったり腐れが出たりするそうです。
共生関係が崩れると生きて行けなくなるということですね。
木材腐朽菌
このきのこがいるから森が枯れ木で埋まることがないと言われます。
固い木材を腐らせることができるのはきのこだけ、この菌がいるおかげで還元されます。
針葉樹にはサルノコシカケのような固いきのこが、広葉樹にはクリタケやシイタケなど柔らかいきのこが多いと言われています。
特にサルノコシカケの仲間がいないと木材はほとんど腐らないそうです。
落ち葉分解菌
大量に降り積もる落ち葉も主にきのこが分解し元の無機物に還元することになります。
モリノカレバダケ、マツカサキノコなど
冬虫夏草
冬に虫であったものが夏にはきのこになってしまう、なかなか恐ろしいものです。
生薬で、薬物の宝庫として色々な研究がなされているようです。
まとめ
- きのこは生態系の循環の役を担っており、きのこがいないと二酸化炭素が還元されず、ひいては植物が光合成することもできなくなる。
- 人間を含む生物も還元の役を担っている。
- きのこには腐朽、分解するだけではなく共生する菌もあり複雑な世界を作っている。
- 固い木材を分解腐朽するのはきのこしかいない。
- 菌糸が集めた養分の塊が子実体(きのこ本体のこと)。アミノ酸の集まりなので美味しい。
きのこと植物の関係は地球環境を維持する上でとても重要な関係があったのですね。
こんなことも知識に入れておくと、きのこ狩りもまた楽しくなりそうですね。
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