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自然の森や林では人が何もしないのに生き生きと植物が育ちます。
それは、植物が育つ環境でしか育たないからとも言えます。
しかし、人工的に作られる野菜も植物の一種ですから、野菜が育つ環境を整えてあげることで野菜畑も自然循環の中に組み入れられるのではないかと考えます。
無理矢理に育てるのではなく自然に育つ野菜が美味しいと思います。
植物は生育する環境を選んでいるので、同じ土壌にどんな植物でも生育できるとは限らないのです。
ほとんどの野菜は弱酸性土壌で育つと言われていますが、ほうれん草はアルカリ寄りでないと育たないようです。
育てる野菜に合わせて、現状の畑の土がどういう状態なのかを知る手がかりとして指標植物というものがあります。
少し勉強してみたいと思います。
目次
野菜栽培では弱酸性土壌が推奨される
野菜を育てようと畑を見ると、大概スギナ畑のようになっていませんか?
日本の国土はほとんどが酸性の土壌でできているようです。酸性雨というものも話題に上ったりしていました。
スギナは酸性土壌で活発に生育する植物です。
野菜づくりの教科書では、栽培するには土壌改良が必要で、弱酸性を目指しましょうという記載があります。
酸性土壌は土壌中にアルミニウムイオンなるものが存在して、それが障害となって生育が出来ないのだそうです。
今ある畑の土がどのような状態なのかを知るのに、土壌指標植物があります。
土壌指標植物
土の物理的な性質によって植生が変わることを利用した指標で、該当する植物が育つことで、その土壌の性質を推測します。
酸性土壌の指標植物例
スギナ、オオバコ、シロツメグサetc、これらの植物が育っている場合、土壌は酸性と推定します。
スギナはなぜ酸性土壌で育つのか?
スギナの地上部を調べた結果があります。
驚くことに、酸性土壌で育ったスギナの茎葉にはアルカリ性ミネラルである「カルシウム」と「マグネシウム」が豊富に含まれていることがわかっているそうです。
なぜ酸性土壌で育ったのにアルカリ性なのか?
スギナという植物が好きな栄養イオンがカルシウムとマグネシウムで、スギナは酸性土壌中のアルミニウムイオンを無毒化する機構を持っているのだそうです。
根の生育がアルムニウムイオンの障害を受けずに、土壌から必要なカルシウム、マグネシウムなどの必須栄養素を吸収できるからではないかと言われています。
スギナの根は、おそらく酸性土壌中の少ないカルシウムやマグネシウムを強く吸収する能力を有しているということのようです。
年次によって姿を変える雑草たち
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スギナが生え放題だった場所は、年数を経るごとにギシギシやらカヤツリ草やらが加わって段々スギナが姿を消すことになります。
スギナは酸性土壌で活発に生きて行ける植物だということで、地上部がアルカリ性の植物体なので、それが枯れて堆積すると地上部分にアルカリ性が出現するということになります。
そうすると、だんだんスギナが暮らし辛くなって、逆に弱アルカリ性に向かっている土壌が好きな植物に取って代わられるようです。
そして野菜も育ちやすい弱酸性へ
またまた年次を経てハコベなどが生えるようになってくると、より弱酸性に近づき野菜の栽培にも適した土壌となってゆくようです。
このようになっている場所では、肥料や農薬とは無縁の自然農法で、少し草を刈り取って種を蒔けば元気で丈夫な野菜が育つということなのですね。
野菜栽培の教科書は人工的な土壌を作ること
自然農法で何も手を入れずにできるような畑になるには何年も自然に任せていく必要がありそうです。
忙しい現代人はそんなに悠長に構えていられませんので、人工的に弱酸性を目指そうという取り組みが教科書だと考えていいと思います。
しかし、アルカリ性にするために石灰を撒くと土が固くなってしまうとか、化学肥料や農薬が土壌微生物の活動を弱めているとか、その結果あまりいい成果が出ないといったこともあるようです。
まとめ
- ハコベなどが育つようになった場所が見つかり、そこが使用できればあまり苦労せずに野菜栽培が出来るのかもしれません。
- または、そのような状態になるまで自然農法によって雑草で畑土を育てながらという選択もあると思います。
- その過程では収穫が貧弱でも、その後にはあまり手がかからないのに実り豊かな立派な野菜たちが採れているのかもしれません。
指標植物、面白いですね!
スギナを見る目も変わりそうです。
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