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早々と梅雨が明けてしまって毎日毎日猛暑日の連続ですね。
暑くて暑くて、もうやってられないと思うのは私だけではないでしょう。私の場合、夏は避暑で山に行くことが多かったです。
夏と言えば、海水浴か夏山登山が代表的なレジャーでしたが、海水浴に関しては海離れが進み海水浴客数で1985年の3790万人がピークで2015年現在で760万人とおよそ1/5に減少しているそうです。
登山に関しては増減を繰り返しつつも2011年以降800万人程度で推移しているそうです。
登山は生涯スポーツ
活動人口の変化は、レジャーの多様化や、人口減少、高齢化の進展といろいろな理由が挙げられていますが、こと登山に関して、ある程度のボリュームを維持しているのはやはり理由があると思わざるをえません。
登山というのは、登山口までは交通機関の利用等で出向いても、そこからは自分の足だけが頼りとなるある意味孤独なスポーツです。
自分の足だけが頼りということで、そこでは充実した達成感を味わうことができます。
また、大自然の雄大な景色や高山植物に出会い、難所と言われる困難な場所を通過など緊張感と癒しの繰り返しがより一層”また来たい、また来よう”という気持ちにさせるのではないでしょうか?
ここは富山県、北アルプス立山のお膝元です。
が、私の住んでいるところはもっと西ですが標高は低いながら山だらけです、せっかく山の豊富なところに住んでいるのにやる事が多く、山に行けない日々が続いています。
遭難の原因
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しかし、昨今は中高年登山者の遭難事故が後を絶たず、その原因は下記のように公表されています。(平成29年夏期における山岳遭難の概況/警察庁生活安全局地域課より抜粋)
- 第1位「道迷い」(26.8%)
- 第2位「転落」(23.8%)
- 第3位「滑落」(14.5%)
となっているそうです。第2位、3位も道迷いをした結果そうなることも考えられ、そのようなことも合わせ推察すれば、道迷いがダントツの遭難原因となりえます。
道迷いとは?
普通に考えれば、いい歳をした大人が道などに迷うものかと思う方も多いと存じますが、現実に統計が物語っています。
天候の良い時や体調の良い時には何でもないことが、逆の時は判断を誤るのです。
道迷いの原因
- 標識の見落とし
- 地図情報の見落とし(登山ガイドなどで明示されている迷いやすいポイントを見過ごす)
- 枝道や近道をしようとして迷う
- 1日の行動時間が目一杯で余裕がない
⬇
- サブルートに迷い込む
- 獣道に迷い込む
- 作業道に迷い込む
- クライミングルートに迷い込む
- 迷いやすい踏み跡に迷い込む etc
その結果、登山道から外れるとそこは整備が行き届かない場所となるので、足元が崩れそうな場所や急な崖、沢の源頭などに行き詰まり振り返るとニッチもサッチも行かなくなってしまうのです。
そして、行ってはいけないと言われていた沢に降りて行ってしまい、初めは降りられても、必ず滝が掛かり、ゴルジュがあり動けなくなってしまいます。
これは一例ですが、道に迷うということの怖さを知っておいていただきたいと思います。
道迷いをしないために
- 出かける山域の最新の地図を持参する。
- 地図は登山ガイドの地図と国土地理院の地図を持つ。
- 国土地理院の地図には磁北の偏差をあらかじめ記入しておく。
- できれば高度計を持つ。
- 登山中は随時現在位置を確認する。
- おかしいな?と思ったら、それ以上先へは進まず、現在位置を確認、間違っていたら現在地が確認できる場所まで引き返す。
- 人気コースなのに登山道の様子が廃道のように感じたら現在地が確認できる場所まで引き返す。
- 疲労は判断力を低下させます。無理な行動はいけません。今の今まで動けていても、急にストンと疲れが出てしまうこともあります。
道に迷ったと思ったら、まずはわかる場所まで引き返すことが基本です。決してどんどん突っ込んではいけません。
霧に巻かれるなどした場合は霧が晴れるまで動かないことも重要です。
道迷いは誰でも経験があると思います。
私の場合は、夏の八ヶ岳、赤岳を目指していた時、横岳の岩場付近で岩の目印を見落としガレ場に行き着きやばいと思って引き返し難を逃れました。
また、休憩をした後に、あれどっちから来たっけか?というようなこともあり、違う方に行ってしまい引き返したこともあります。
秋の東京の奥多摩では、近道の巻き道だと思って入った脇道が、違う作業道かなんかだったようで尾根道に上がっていかず、藪を上がって尾根道に出たこともありました。
道に迷った際は、冷静になることが重要です
- まず一息つく。
- そして周りの景色を見る。
- 地図とコンパスを出して現在位置を確認する。
- 間違えたか、戻ろうという決断をする。
コンパスの使い方
- コンパスは磁北を指す。
- 地図の北は真北。
- 磁北と真北は偏差がある。
- 日本付近では大概西偏7度くらい。
と言う事なので、まず地形図に磁北偏差の線を記入しておくと、登山中コンパスを合わせるのにとっても役立ちます。(磁北偏差は国土地理院の地形図に明示されています。)
地形図の磁北偏差線とコンパスの磁北を合わせてあげれば(コンパスの縁を線に沿わせる)、自分が進もうとしている方向が地図で確認できます。
また、大体の進行方向をコンパスに記憶させておけば毎回地図を出して確認する手間を省くこともできます。
- 地図で磁北を合わせた状態で、地図を動かさずコンパスの長手を進む方向に向けます。
- コンパスのベゼルのNを磁北を指している赤の針に合わせます。
- これだけで行動中コンパスのNと赤い針を合わせれば凡その進行方向が明示されます。
- 道なき道を行くのであればよく地形などを観察しなければいけませんが、道が続いているのであれば、その道が自分の行きたい方向なのかは判断できます。
そして現在位置です。これは、登山口から随時わかっている現在位置を確認し続けてくる事が重要です。
まったく分からなければ良く言われるのが、遠望してわかる山や地形などの2箇所以上の情報から地図上に2線を引いて交わった所というやつです。
遠望して分かれば苦労はないので難しいです。やはり要所要所で現在位置を確認してくるのが一番賢明だと思います。
最近ではデジタルコンパスなるものもあるようです。
非常に便利なものなのでしょうが、機械物は動かなくなると無用の長物と化してしまうので、オイル式のコンパスも必ず持って行き、使い方は知っておくべきかと思います。
高度計も便利です。
あとはこの時に高度計が活躍してくれます。高度計はあらかじめ登山開始前に既知の高度を合わせないと使えませんので念のため。
また、途中でも高度が表示されている場所では高度計とのズレを修正する事が必要です。
高度計の表示高度を参考にして、地図上の現在位置をある程度特定することもできます。
さらに、高級な装備になりますが、GPSが持てるのならまず迷子になることはないかと・・・
まとめ
- 登山ではいつ道迷いになるかもしれませんので、他人任せにせず必ず地図とコンパスを持ちましょう。
- 地図は地形図に磁北偏差を記入したものを持参するとコンパスが合わせやすいです。
- コンパスだけで凡その進行方向を定めることもできます。
- 高度計があると現在地の特定に役立ちます。
- GPSがあると完璧かもしれません。
- 自身の体力に合った山行計画が重要です。
- 無理な計画は焦りを生みます。
登山は無事に帰ってきてこそです。危険を知って対策を考えて大自然に出かけましょう。
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