庭づくりを考える

皆さんは「表日本」「裏日本」という言葉を聞いたことがありますか?私は富山に来て初めて地元の知人から聞きました。「表日本」は太平洋側、「裏日本」は日本海側とのことでした。全国の週間天気予報を見ていると太平洋側は晴れ続き、日本海側は曇りや雨、冬は雪マーク続きです。冬はいつも鉛色の空、晴れは1週間に1回・・・。知人は午後2時になると「嗚呼日が暮れる~」とも言っていました。当時私は「もう大袈裟~」と大笑いしたものでした。ですがこの山里に暮らせば「嗚呼日が暮れる~」が身に沁みてよく解るようになります(笑&汗)。

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南庭は強風対策の杉の囲繞で陽射しが乏しい

南庭は強風対策の杉の囲繞で陽射しが乏しい

我が家は県道に沿った西側に玄関があります。道路から玄関までは3mほど。冬になれば何トンもの屋根雪がただただドカンドカンと落ちてくる場所です。「ここいら全部ブル(ブルドーザー)で持ってかれるぞ~」下手なものでも造ろうものなら除雪車が雪と一緒に引掛け壊されてしまうということです。

そして南風のキツイこの地方では南側に杉の囲繞を植樹し家を守っています。南側と言えば一般的には人も植物も一番過ごし易い場所かと思いきや杉の囲繞から縁側までは2mほど、最初見たときはちょっと薄暗い印象でした。雨が続けば敷地は水溜まりだらけです。街中でキチッと排水処理もされた場所に暮らしていれば普段考えもしないことかもしれません。

雨降りの後南の庭池のようになってます

雨降りの後南の庭池のようになってます

南の庭なのに暗い庭

南の庭なのに暗~い…

あと忘れてはいけないことが、一つは年がら年中の除草(刈払機or手除草)、もう一つは冬の雪囲いです。雪囲いはその土地土地で形状も様々ですが、雪の多い地方で行う家を守る為の造作で、この辺りでは径10cm長さ4m程の丸太を軒下に立てかけ、そこに横桟を固定しナマコ板を打ち付けます(雪囲いについては詳しくは又別の機会に)。山里での暮らしは自然の影響を多く受けます…。という風に「庭」は一年中何かと忙しい場所であり、何かを造れば造る程後で管理が大変になります。歩き易く、怪我をし難い…出来るだけスキッリさせておくことが自分の首を絞めない手であるように思います。

畑の収穫物を整理したりする場所を出来る丈広く確保してもおきたいものです。田舎暮らしでよく見るシンプルでフラットな芝生や砂利の庭は其処で暮らす人の「生活と共にある姿」だったんだな~と気づかされます。

ということから、我が家では、「庭づくり」はまずは雨・風・雪から家を守り、自然に対しての暮らしのスケジュールを考慮し、如何に自然の中で、自然に逆らわず、自然を活かしながら生活し易く造るかを第一に考えることとしました。改善・計画のポイントは①「排水処理」排水・土地勾配がうまく機能していないものを再整備する。②冬の雪除け・凍結を考慮した丈夫で邪魔にならないデザインとする。③植栽はその土地に無理なく馴染む樹木や草花をゆっくり育て楽しむ。ざっくりとそんなところにしました。

庭の設計施工は、最初に庭が考えられ、後でそこに家を建てるというケースも稀にあるようですが、大概は家を建てた後です。私としては、家と庭は一緒に設計されるのが一番、近隣との関係、土地環境等・・・諸々の条件を加味し検討したいと思いますが、実際には色々な条件に雁字搦め、悪条件をどうやって克服しようか・・そんなことが多いのかもしれません(何の仕事もそうですね(笑))。此処の庭も「夢打ち砕かれる」当時私の心境はそんなものだったかもしれません。以前、建築を長く仕事にしてこられた人が「悪条件など気にも留めずサラッとこなして~」と言われた言葉を思い出しました。変にお洒落な庭や造りこんでも不似合いな様な・・、この山里の景色に自然に溶け込み、シンプルで、とは言え、そんな中にも自分らしさや自分ならではの工夫を少しでも入れられればと考えました。

で、そんなことを考えてからもう7年ほどになりますが(ここからはちょっと言い訳になりますが)、実は途中病気をしてしまったことや、生活することが優先され庭のことは後回しになったり(当たり前ですね)で・・・、我が家の庭はまだまだ大した進展がありません。ですが、病気をしたことで以前の様に無理がきかなくなり、いい意味で力が抜けたところもあります(体が動かないと何も進まないと痛感もしますが)。「悪条件?」にも平常心で向き合えるようになってきました。何よりこの7年此処で暮らした中で得た「観察眼」が私を逞しく?したかもしれません。この経験こそが今後の庭づくりにきっと役に立つ気がしています。日々自然に教わることは多いです。こういうことが「山里暮らし」の楽しさなんだろうと思います。

とは言え、年々齢も重ね、体力も低下の一途なので、私の奮闘中(停滞中?)の庭づくりも、そろそろ何とか落ち着きどころを見つけないとダメですね~。

今日は「庭づくりを考える」で、こんな話に終始してしまいましたが、実際の庭も又順にご紹介していければ~と思います。

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